
メタトレーダー、再び中国での新規ユーザーアクセスを遮断:プロップトレーダーへの影響
2025年5月下旬、MetaTrader 4(MT4)およびMetaTrader 5(MT5)プラットフォームが中国国内の新規ユーザーに対してアクセス不能となりました。これは、過去数カ月で2度目の大規模な接続障害です。業界関係者によれば、この問題は約1週間続き、主にモバイルアプリを通じて新規登録を試みたリテールトレーダーに影響が出ました。既存のユーザーは通常通り取引を継続できたとのことです。
中国の監視体制とアプリ制限の関係
この遮断は、中国当局による詐欺対策アプリ「国家反詐欺センター」の強制導入が背景にあると見られています。このアプリがMetaTraderのような海外製取引アプリを「潜在的に危険」または「詐欺的」と分類したことで、現地のISPが自動的に制限や遮断を実施した可能性があります。
緊急アップデートと回避策
MetaQuotes社は即座に対応し、Android向けに以下のビルドをリリースしました:
- MT4 Androidビルド:1445
- MT5 Androidビルド:4981
これらのアップデートは、Google Playが使用できない中国本土ユーザー向けに、直接ダウンロード形式(.apkファイル)で配布されました。
香港を拠点とするブローカーGFMはX(旧Twitter)上でこの問題を認め、次のように案内しました:
「中国本土から新規登録したユーザーは、アプリ上でブローカ名が検索できない状態です。デスクトップ版MT5でIPアドレスを直接入力してログインしてください。」
一時的なログイン手段として、IPアドレスや直接リンクも提供されました。
プロップファームにとっての教訓
アジア市場で活動するプロップファームや資金提供型トレーダーにとって、今回の事件は「プラットフォーム依存リスク」と「地政学的リスク」を再認識させる出来事となりました。MetaTraderに依存しているファームは、今後同様の障害や制限に備え、代替プラットフォームや冗長性のあるインフラ整備を検討すべきです。
また、VPN経由でのアクセスや頻繁なドメイン変更を余儀なくされている現状は、中国市場への進出や維持がますます困難になっていることを示しています。
プラットフォームの選択が地政学の影響を受ける時代において、プロップファームは柔軟かつ戦略的な対応が求められます。
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